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calm space [path-art]

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中標津 ギャラリー残日舎に久しぶりにお邪魔しました。現在、企画展「備前焼・黄瀬戸と他の焼き物」が開催されています。
ギャラリーオーナーの志道昇氏に備前焼について、黄瀬戸についてお話しを伺いました。

備前焼きの特徴は、釉薬をかけない焼き締めの種類に属するそう。1300度前後で焼かれる硬質な陶器。
窯変にもいろいろな種類があるのですが、火による窯変、色々な変化が特徴のひとつです。
小西陶蔵という方の作品がたくさん目につきました。備前焼の本拠地、伊部にお住まいの陶芸家とのこと。
小西陶古という窯の後継。代々小西陶古を継ぐのですが、彼は窯元のご主人というよりは作家として現在動かれている方なのだそうです。
私の知る限りでは、備前において最も受賞歴の多い作家のひとりと志道氏。
「先生いわく、何百年も前の備前焼、その形を踏襲していく。
そういう技術をもとにして、歴史に現在の新しい感覚を重ね合わせて、新しい備前としての歴史を作っていきたいとおっしゃっていましたね。」
それぞれの作品は、多様な表現をしています。
近代的な感覚を歴史のある備前焼に取り入れながら、新しい備前焼を目指した時期もあるそうですが、
今はわりと古典的なものを追っている気がするとおっしゃっていました。
そして、黄瀬戸は志道氏のもっとも好きな陶器。黄瀬戸は安土桃山時代にその形が完成されて、短い作陶期間をおいて、姿を消した焼き物です。
それを現代に入ってから加藤唐九郎はじめ、日本の最高峰と言われる作家達が、桃山時代の黄瀬戸を過去の窯元から出てきた陶片を元に復刻に努めたそうです。
完成が難しく、完成してもその確率が非常に低かったと。その様に先輩たちが苦悩している時に、当時若かった各務周海がその成功率を高めていきました。
今回は人間国宝の作家の方お二人の作品も展示されています。ぜひ、ほんものに出会っていただけると嬉しい企画展です。
志道氏から・・・・・
「手にとってご覧ください。万が一、落として割れてしまってもそれはそれで仕方がないんです。
いつか形あるものは割れます。ものは全てそうですけれど・・・。気にしないで手にとってほしいんです。」
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(企画展「備前焼・黄瀬戸と他の焼物」展は、8//11〜15.8/19〜20.8/26〜27 中標津 ギャラリー残日舎で開催中)

iro to katachi [path-art]

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子供の頃の夢は、漫画家だったり、絵描きやさん。はじめは広告関係のグラフィックデザインの道に進みました。
その中にはイラストレーションの仕事もあり、こういう仕事があると知るのです。
若い頃は流行りのものを手がけていたそうですが、本当に自分の描きたいものは?と考えるように。
観光客の方が多くいらして感動してくれる、その北海道にいるのだから・・・。住んでいるのに北海道を描かないわけにはいかないと思うように。
ある意味住み慣れていると、いつでもかけると無意識になってしまいます。
あらためて道内を歩いてみると、「こんなすごい所を絵にしないわけにはいかないな」と。
それから旅を続けながら北海道の、なおかつ、これから少し失いかけていく様な世界、子供の頃の原風景を見つけながらそれを絵にしているのです。
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仕事で北海道のイラストマップみたいなものを手がけ、「あれタンチョウって見たことないな」「幣舞橋って行ったことないな」
これはいけないと・・・・・・それから旅を意識してするようになります。
北海道をくまなく歩いた藤倉氏に、北海道のここが好きというところをお聞きしました。
「う〜ん。ただ、一番北海道らしいのは間違いなく道東。
広さと言い、寒冷さと言い、海がある、山がある、牧場がある、まさに北海道という風景は道東だと思いますね。」
貼り絵の原点は、斉藤清の木版画を見たこと。その会津の雪のシリーズ。その展覧会を見に行き、「あぁこの世界良いな」と。
ある時グラフィックデザインで色紙を使うことがあり、その紙を切って、そこに筆でグラデーションをつけ、そして貼ると、彼の作品に近いものができました。
それがスタート。始めは雪の風景ばかりを作られたそう。その後、JR北海道の表紙絵の依頼がありました。
毎月雪の風景というわけにはいかないので、そこから季節を追うように。この仕事を24年続けていらっしゃいます。
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絵の中の奥にいろいろな形で木が登場しています。冬でも枯れた木が。
藤倉氏にとって、自然というものの代表が木ということ。
こだわりは、色と形。すべてはそうだと思うとおっしゃっていました。
その組み合わせで普段の風景も見ていると思うと。
それを一枚の決められたものの中でどう心地よく表現し、そこに匂いなどの五感を感じてもらうにはどうしたら良いのか・・・を常に考えているそうです。

「貼り絵という手法は不器用な技法。筆で描くとどんどん上手になってしまう。上手くなろうとしてしまう。上手ければ良いというものではないと思っているんですね。
30年も40年もこういった仕事をしていると、はじめから絵を描くのと同じ様に、筆の代わりに指先でちぎるとか、絵の具の代わりに300種類位の色の紙をどの色と組み合わせるかを考えることをするのです。」

油絵の様に塗り重ねができない、やり直しがきかない。どんどん完成に向かっていく過程がお好きと教えて下さいました。
(静かな風を聴きながら 藤倉英幸展は8/27まで釧路市立美術館で開催中)

the last kelp harvesting [path-art]

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去年2016年、羅臼道の駅すぐそばにギャラリーミグラードがオープンしました。
多くの方がいらっしゃるこの場所に通過ではなく、滞留していただきたいという願いを込めて、
主に知床羅臼を撮影なさっている写真家の方の作品を展示してきました。
ミグラードの意味も、世界共通語 エスペラント語で「渡り」を意味するもの。
オホーツク海と太平洋を結ぶ眼前の根室海峡。トドやアザラシ、ワシ、シャチ、クジラ、海鳥など
多種多様な海洋生物は、その豊かさに惹かれるように毎年「渡り」を繰り返します。
人もまた、これらの生物と響きあうように、何度も羅臼へ訪ねてほしいという思いが込められているそうです。
今回、ギャラリーでは「知床岬の昆布漁展」が開催されています。
昆布漁の道具、昆布の実物、昆布が出荷される時の箱、漁から羅臼昆布が出来上がるまでのイラスト。
そしてメインは、大正時代から現代まで続く、知床岬先端部での羅臼昆布漁が映された貴重な写真約80点になります。
羅臼の昆布漁の技術は根室から伝わったものと言われてきたそうですが、いろいろと歴史を調べたところ、
明治時代、根室から和人一人とアイヌ30人が日高地方の三石に昆布漁の研修に行ったということが文献でわかったそう。
口伝えでは辿れなかった技術伝播のルートが明らかになったそうです。

また、ギャラリーにはカフェが併設されています。
このカフェからは運が良ければ肉眼でシャチが見ることができることもあるとか。
さらに地元の方が地元のものを使って作られた雑貨も販売し、美味しいお食事も楽しむことができるのです。
自然豊かなさいはての地。綺麗な星空や海が日常にある喜び、しあわせを身体でたっぷり感じてみませんか?
IMG_5062.JPG IMG_5063.JPG 今は無き風船岩.JPG 昆布漁道具の紹介と羅臼昆布の工程説明.JPG 昆布紹介DVD24分上映中.JPG
※尚、写真は知床羅臼町観光協会 阪田裕子氏からお借りしました。
(知床岬の昆布漁展は8/15まで羅臼町 ギャラリーミグラードで開催中)

Hokkaido [path-art]

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すべて貼り絵です。
パッとみた感じは描いたのかな?と思うのですが、藤倉氏が独自にあみだした貼り絵の世界が広がっています。
そもそも岩内町に生まれた藤倉氏は、印刷会社などを経て、イラストレーターとして独立しました。
現在では、ポスターやパッケージ、書籍などのデザインを幅広く手がけていらっしゃいます。
皆さんがよくご存知の「THE JR Hokkaido」の表紙絵を20年以上も制作なさっています。
他にもお菓子のパッケージデザインなど。
お名前を存じあげなくても、その商品や本はご覧になった方が多いと思います。
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1980年代から北海道の風景や人々の生活に目を向けた切り絵作品を発表なさいました。
後半からは、手法を洋紙による貼り絵にかえて以降、北海道内の風景画制作をライフワークになさっています。
今回は、2013年に自選の63点を納めた画集「静かな風を聴きながら 北海道63景」の内容を中心に、
釧路管内に取材した作品、あわせた80点が展示されています。
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作品に近づくと、どのように貼り絵が作られたのかがよくわかります。裂けたように見える線、カッターで切られたような鋭利な線。
じっくりご覧いただけると見えてくる線。
北海道内の風景とはいえ、心象風景です。彼の心の中に残った描きたい風景、空気、その土地の匂い。
そんなものが作品から伝わってくるのでは?と思います。
(静かな風を聴きながら 藤倉英幸展は8/27まで釧路市立美術館で開催中)

gentle [path-art]

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古いのに新しい。
優しい色合いにホッと心が和みます。
これから釧路市立美術館で開催される「神原安代展」展示前にお話しを瀬戸学芸員に伺いました。
大正2年に釧路に生まれた神原氏。戦前から青空画会(現在の釧美展)や道展に出品なさるなど、釧路美術界黎明期に活躍した油彩画家です。
主に風景画が多いのですが、トーンがとても優しくゆるやかな感じがします。
色も線も伸びやかです。時代とともに作風は変化しているそうですが、だんだん単純化されてまるで抽象画のように見える作品もあるそうです。
釧路にもそのような作家さんがいらしたのですね。
まだ本格的に美術を研究するといった風土がない中で、模索を繰り返した模様も作品から伝わってきます。
今回、初の企画展です。ご遺族から作品を20点ほどお借りしての展示とのことです。
釧路市民文化会館の小ホールの緞帳も実は彼が描かれた作品をもとに作られています。
緑を基調とした空と、とても動きのある波、海の風景が印象的です。
黄色い色が基調となった作品、山の部分がザラザラした表面になっています。
全体的には薄い塗り方で描かれたものが多いのですが、中には補色を隣り合わせに使ったり、
質感を表現するための様々な工夫も見てとることができます。
作品展ではデッサンも展示される予定です。
昭和の釧路を駆け抜けた彼の作品、そして当時の釧路に想いを馳せてみてはいかがでしょう。
(神原安代展は7/15〜8/27まで釧路市立美術館で開催)

KEN TAKAKURA [path-art]

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北海道立釧路芸術館が大人のアミューズメントといった感じに。
大迫力の画面が迫ってきます。
今回の展示は映像のほか、台本、小道具、スチール写真、ポスターなどなど。
高倉健、生涯の出演作205本の映像から抜粋したものをすべて投影しています。
モニター22台、プロジェクタースクリーン7台。
この数だけでもまるでどこかの映画館に入った感覚に陥りますよね。
実は、芸術館の壁は白いレンガなのですが、通常はそこが見えない感じで展示することがほとんど。
でも今回はそれをいかしたスクリーンが登場しています。
昭和の時代の映画館に入った感覚に陥っていただけるかもしれません。

最大の見どころは、出演作205本のすべてから抜粋した高倉健出演場面の映像の紹介。
経年劣化により視聴困難なフィルムも、デジタル補修を施すことにより、その一部も見ることができるようになっています。
高倉健、戦後の日本映画史、そして北海道映画史に残した大きな足跡をたっぷり感じていただけると思います。
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(追悼特別展 高倉健は9/3まで北海道立釧路芸術館で開催中)

of the roam [path-art]

6202722_山下清展A4チラシ表k.jpg入口.jpg 桜島等.JPG 長岡の花火等.JPG 貼絵になったヨーロッパコーナー.JPG
「旅行する癖は急に治らないので だんだんと癖が治ってから 旅行しないで同じ場所で いつまでも長く絵を描こうと思う」
山下清の言葉です。
放浪の天才画家 山下清展が北海道立帯広美術館で7月1日から始まります。
少年時代から円熟期まで彼が制作した貼り絵、ペン画、鉛筆画、油彩、陶磁器の絵付けなど約130点が展示されます。
さらに、愛用品、映像資料、手記に残された言葉も・・・。
山下清という人と彼が制作した作品をまるごと感じることのできる内容になっています。
49歳という生涯を駆け抜けた変遷が、時代ごとに私たちの目に飛び込んできます。
少年期に比べると制作するもの、その材料となるものが細かくなっていきます。
初期の作品に使われなくなった切手などを使って作られた貼り絵の作品「ともだち」というものがあります。
緻密さは感じませんが、色合いといい、その雰囲気はとてもほのぼのとしたものを感じます。
彼自身も障害をかかえながら何を思い、この作品を作られたのでしょう?
そんなことを感じながら作品を鑑賞することもできるかと思います。
また、「金町の魚つり」という作品は、1950年に制作されました。
戦後そんなに経った時ではないのですが、その色やそこに表現されているものからはなぜか温かみを感じてしまいます。
作品から、彼が何を感じてもらいたかったかというよりは、山下清の作品、そこから私たちが何を感じとるができるか・・・
貼り絵と出会い才能を開花させて山下清。
波乱に満ちた人生と言葉では簡単に書いてしまいますが、その一瞬一瞬の瞬間を作品から感じていただけると思います。
※尚、写真は北海道立帯広美術館 薗部容子氏からお借りしました。
(放浪の天才画家 山下清展は7/1〜9/3まで北海道立帯広美術館で開催)

fabric art [path-art]

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初めて、作品を拝見させていただいた時に・・・
なんとも言えない衝撃的な感動を覚えました。
ぜひお話しを伺いたいとお願いして、釧路市内の南澤美紀子氏のご自宅にお邪魔してお話しを伺いました。
写真からでは伝わらないかもしれませんが、細かい作業を根気よく続けなければ絶対にできないということはおわかりいただけると思います。
下の写真は作品の一部を撮影させていただいたのですが、ここに必要なものは、布と針と糸だけ。
それを運針という、家庭科で一番最初に習った方法で作り上げていくのです。
一体どうなっているのか?不思議で不思議でたまりません。
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赤という色は基本的な色・・と南澤氏は考えていらっしゃいます。
人間が一番最初に認識する色。そして、その赤い色が私たち人間の中にも流れています。
モスリンの赤に出会った時に、「綺麗」「この赤をもっと追求したい」と思われました。
素材の違った赤で生み出される布の表情が素敵です。
南澤氏はこうおっしゃいます。
「頭の中には構図もなにもなく、どんなものができるのを楽しみながらチクチクしているの。
 その時間が楽しい。限られた時間の中でも少しずつ形として残っていくでしょ、それが楽しいんです。
 自由に布たちを遊ばせてきて、最後にまとめる時にワッてなるの。そういう時はゆっくり考えるかな。」
布と向き合う時間は、自分と向き合う時間とおっしゃっていましたが、やはり布たちと会話しながら作り上げている秘密の時間のようです。
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強烈な赤の作品と対照的な落ち着いた色合いの布の作品も同時進行なさっています。
彼女にとっては同じこと。
まったく違った感じに見えるのですが、針と布と糸を使い、運針で作り上げるので結局同じことなのです。
ただ、落ち着いた色合いの作品は、使い古された布と糸を使い、彼らにとって最後の作品に仕上げたもの。
赤の作品は、使われていない布を使って、ここから湧き出るパワーを表現したもの。
短絡的に表現するのであれば、静と動という表現になるのでしょうか。
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「赤い色を使って作品を作っているうちに、良いな・・・これをもっとやってみたいと思ったの。」
これからしばらくは赤の作品を作られていくことでしょう。
実は現在、制作中の作品を少しだけ見せていただきました。
こちらも布と針と糸だけを使われています。今までの作品とは違った表情です。
「作品作りは、やっぱり楽しいし、自分と向き合える。現在の立ち位置がわかるっていう感じかな?
自分が今何を思っているのか?そういうことを見ることのできる瞬間ね。」

アートとは・・・話しかけたくなるもの。
人それぞれ、作る側、見る側で違うと思うけれど、ご自身にとっては話しかけたくなるものがアートだと思うと。
例えそれが、お祭りの屋台で見つけたものであっても・・・。



talk with glass [path-art]

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中学で理科教師をしていた時代、ガラス管などを扱うことがあり、熱を加えると形が変わったりするのが不思議だったそう。
さらに、自分の人生、教員以外の生き方をしてみても良いかなと思ったことがこの道にはいったきっかけです。
長谷川直良氏は、教員を3年早期退職し、ガラスの学校に通います。当時、コップ、花瓶、器などを作っていました。
ただ、美術の世界は皆目わかりませんでした。絵を描いたり造形をどうするのか?そこで、ガラスの学校で先生に相談なさったそうです。
美術館を見てまわること、画用紙に100枚、線を描くことをすすめられました。
ヘンリームーア、イサムノグチ、安田侃の作品を見てまわり、100枚の紙に線を描き始めるのです。
でも20枚くらいで困ってしまいました。
「困っているうちは考えている。考えているうちはダメなんですね。意識しているうちは意識した線しか描けないということなんです。
無意識の中で自分の手が動くくらいにならないと。」
70~80枚描き進めるうちに、なんとなく自分の描く線が似てきていると感じたそう。
「今考えると、自分が作ったオブジェに似てきていると思いますね。」線から出発しているのです。
大きいものと小さいものが向き合っている、関わっているみたいな。。。そういうイメージがあるそうです。
2つのものがくっついているものがあったり、それが分離して対峙しているものがあったりする感じです。
ガラスと話しながら作り上げているそうです。そして、ガラスを触っている時が1番楽しいと。
自分の思うようにいかないこともあるけれど、ガラスにはガラスの事情があり、
「この温度ではそんなことできないよ」などのやりとりができて、結果として作品が出来上がるということが楽しいそうです。
ガラスの魅力は透明感と儚さ。こわれやすいところ。
「次の瞬間がわからないみたいな・・・儚いところをいかに自分の力で手を携えてやっていけるか。そこが魅力なんです。」

すでに着手しているのが、骨シリーズ。
魚、動物の骨がお好き。骨が元になってそこに肉がついている。
骨は動くための仕組みで、それぞれが必要な形で必要な長さ、強さでできている。その形がそれぞれ美しいとおっしゃいます。
理科の教員時代からずっと興味のあった分野であり、その骨をガラスで表現してみたいそうです。
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Achromatic color [path-art]

そもそも絵を描く環境に育った羽生輝氏。
私にとって、羽生氏の作品のイメージは道東の寒い冬の浜辺でした。
ところがここ数年、釧路湿原の春夏秋冬を描かれています。
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大学卒業の時に何を描くか・・・
4年間の集大成とこれからのモチーフを決めることだと思った。それが浜でした。
「子供の頃から浜で遊んだんです。人前で絵を描くことが恥ずかしくて苦手。
浜に行くと誰もいないでしょ。白いキャンバスに黒い絵の具だけで描くことができる。
それは秋口から冬、雪どけにかけて。なおさら人はいないですよね。」
実はもとになったのは、2つの出来事でした。ひとつは、上村松篁の作品との出会い。
彫刻も油彩も見ていたけれど、他のことをみんな忘れるくらいに、これが日本画という絵を見て、
いつかやりたいと思ったそうです。
そして、モチーフはゴッホのデッサンがもとになっているそう。
浜の番屋の白黒の世界とそっくりのものがあったり、他にも小屋の前に佇む女の作品など。
物乞いしている女性が立っているもの。そして、その建物には明るい灯が見えている。
ホッとするあかり。この灯が浜を描いた時に使うものにつながっています。
「こんな寒い釧路の浜でも冬は漁がないかもしれないけれど、生活している証。そういう温かさを表現したくて。」
この二人を未だに追っかけているとおっしゃっていました。
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ある時にある人から「魚の匂いがしてこない」と言われその言葉でさらに浜にのめり込みます。
12月の末に桂恋の崖で写生していたら、おまわりさんに声をかけられたり、
ウトロで2月の終わり頃写生した時に画用紙に墨汁で描いていたら、凍ってしまったり。
寒さを表現するには耐寒デッサン。
素手で描くとどれだけ冷たいのかがわかるので、少しは寒さが絵にあらわれてくるのでは?と思って描いているそうです。
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「そういう絵を描いていると辛いんです。寒そうで厳しい。描いていて辛いんですよ。
そこで、たまに湿原に行く。春夏秋冬それぞれに美しく、ホッとするんですよ」
羽生輝が描いた湿原は重さが違うと。
「あの重さは大地だから。見た時に見飽きないもの、時間がたっても見飽きない絵はやっぱり軽くないよね。」
そのために川下りをして転覆もしたり、いろいろなことをなさったそう。
足を運ぶことによって湿原に少しでも触れることがモットー。だから浜と同じなのです。
浜を描くこと50年。現在は湿原を描かれていますが、湿原の途中からまた浜に戻るそう。なぜなら、今までと違った視点で見ることができると思うから。
できることなら無彩色。その後湿原を白と黒で。
白と黒だけで色を感じる世界。これを表現したいそうです。
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作品を制作する上でのこだわりは、空気を感じること、風を感じること、時には匂いを感じること、それを表現する。

「叔父、舟越保武に言われたんです。人に人格・品格が必要なように、絵にも画格・品格がなくちゃダメよと。
だからたくさんの本も読み、絵を描くだけではなく、勉強もしたけれどそれで備わっていないから寂しいけれどね。
あそこに叔父が描いたイエスの絵があるでしょ、この部屋入るとシャキッとするんです。」