So-net無料ブログ作成
検索選択

fabric art [path-art]

IMG_8449.jpg IMG_8455.jpg IMG_8459.jpg
初めて、作品を拝見させていただいた時に・・・
なんとも言えない衝撃的な感動を覚えました。
ぜひお話しを伺いたいとお願いして、釧路市内の南澤美紀子氏のご自宅にお邪魔してお話しを伺いました。
写真からでは伝わらないかもしれませんが、細かい作業を根気よく続けなければ絶対にできないということはおわかりいただけると思います。
下の写真は作品の一部を撮影させていただいたのですが、ここに必要なものは、布と針と糸だけ。
それを運針という、家庭科で一番最初に習った方法で作り上げていくのです。
一体どうなっているのか?不思議で不思議でたまりません。
4.jpg 5.jpg 6.jpg 7.jpg 8.jpg
赤という色は基本的な色・・と南澤氏は考えていらっしゃいます。
人間が一番最初に認識する色。そして、その赤い色が私たち人間の中にも流れています。
モスリンの赤に出会った時に、「綺麗」「この赤をもっと追求したい」と思われました。
素材の違った赤で生み出される布の表情が素敵です。
南澤氏はこうおっしゃいます。
「頭の中には構図もなにもなく、どんなものができるのを楽しみながらチクチクしているの。
 その時間が楽しい。限られた時間の中でも少しずつ形として残っていくでしょ、それが楽しいんです。
 自由に布たちを遊ばせてきて、最後にまとめる時にワッてなるの。そういう時はゆっくり考えるかな。」
布と向き合う時間は、自分と向き合う時間とおっしゃっていましたが、やはり布たちと会話しながら作り上げている秘密の時間のようです。
IMG_8463.jpg IMG_8464.jpg IMG_8468.jpg IMG_8471.jpg IMG_8473.jpg IMG_8467.jpg
強烈な赤の作品と対照的な落ち着いた色合いの布の作品も同時進行なさっています。
彼女にとっては同じこと。
まったく違った感じに見えるのですが、針と布と糸を使い、運針で作り上げるので結局同じことなのです。
ただ、落ち着いた色合いの作品は、使い古された布と糸を使い、彼らにとって最後の作品に仕上げたもの。
赤の作品は、使われていない布を使って、ここから湧き出るパワーを表現したもの。
短絡的に表現するのであれば、静と動という表現になるのでしょうか。
IMG_8477.jpg
「赤い色を使って作品を作っているうちに、良いな・・・これをもっとやってみたいと思ったの。」
これからしばらくは赤の作品を作られていくことでしょう。
実は現在、制作中の作品を少しだけ見せていただきました。
こちらも布と針と糸だけを使われています。今までの作品とは違った表情です。
「作品作りは、やっぱり楽しいし、自分と向き合える。現在の立ち位置がわかるっていう感じかな?
自分が今何を思っているのか?そういうことを見ることのできる瞬間ね。」

アートとは・・・話しかけたくなるもの。
人それぞれ、作る側、見る側で違うと思うけれど、ご自身にとっては話しかけたくなるものがアートだと思うと。
例えそれが、お祭りの屋台で見つけたものであっても・・・。



talk with glass [path-art]

IMG_8168.jpg IMG_8171.jpg IMG_8173.jpg IMG_8175.jpg IMG_8179.jpg
中学で理科教師をしていた時代、ガラス管などを扱うことがあり、熱を加えると形が変わったりするのが不思議だったそう。
さらに、自分の人生、教員以外の生き方をしてみても良いかなと思ったことがこの道にはいったきっかけです。
長谷川直良氏は、教員を3年早期退職し、ガラスの学校に通います。当時、コップ、花瓶、器などを作っていました。
ただ、美術の世界は皆目わかりませんでした。絵を描いたり造形をどうするのか?そこで、ガラスの学校で先生に相談なさったそうです。
美術館を見てまわること、画用紙に100枚、線を描くことをすすめられました。
ヘンリームーア、イサムノグチ、安田侃の作品を見てまわり、100枚の紙に線を描き始めるのです。
でも20枚くらいで困ってしまいました。
「困っているうちは考えている。考えているうちはダメなんですね。意識しているうちは意識した線しか描けないということなんです。
無意識の中で自分の手が動くくらいにならないと。」
70~80枚描き進めるうちに、なんとなく自分の描く線が似てきていると感じたそう。
「今考えると、自分が作ったオブジェに似てきていると思いますね。」線から出発しているのです。
大きいものと小さいものが向き合っている、関わっているみたいな。。。そういうイメージがあるそうです。
2つのものがくっついているものがあったり、それが分離して対峙しているものがあったりする感じです。
ガラスと話しながら作り上げているそうです。そして、ガラスを触っている時が1番楽しいと。
自分の思うようにいかないこともあるけれど、ガラスにはガラスの事情があり、
「この温度ではそんなことできないよ」などのやりとりができて、結果として作品が出来上がるということが楽しいそうです。
ガラスの魅力は透明感と儚さ。こわれやすいところ。
「次の瞬間がわからないみたいな・・・儚いところをいかに自分の力で手を携えてやっていけるか。そこが魅力なんです。」

すでに着手しているのが、骨シリーズ。
魚、動物の骨がお好き。骨が元になってそこに肉がついている。
骨は動くための仕組みで、それぞれが必要な形で必要な長さ、強さでできている。その形がそれぞれ美しいとおっしゃいます。
理科の教員時代からずっと興味のあった分野であり、その骨をガラスで表現してみたいそうです。
IMG_8243.jpg IMG_8245.jpg IMG_8246.jpg IMG_8247.jpg IMG_8248.jpg

Achromatic color [path-art]

そもそも絵を描く環境に育った羽生輝氏。
私にとって、羽生氏の作品のイメージは道東の寒い冬の浜辺でした。
ところがここ数年、釧路湿原の春夏秋冬を描かれています。
IMG_8316.jpg
大学卒業の時に何を描くか・・・
4年間の集大成とこれからのモチーフを決めることだと思った。それが浜でした。
「子供の頃から浜で遊んだんです。人前で絵を描くことが恥ずかしくて苦手。
浜に行くと誰もいないでしょ。白いキャンバスに黒い絵の具だけで描くことができる。
それは秋口から冬、雪どけにかけて。なおさら人はいないですよね。」
実はもとになったのは、2つの出来事でした。ひとつは、上村松篁の作品との出会い。
彫刻も油彩も見ていたけれど、他のことをみんな忘れるくらいに、これが日本画という絵を見て、
いつかやりたいと思ったそうです。
そして、モチーフはゴッホのデッサンがもとになっているそう。
浜の番屋の白黒の世界とそっくりのものがあったり、他にも小屋の前に佇む女の作品など。
物乞いしている女性が立っているもの。そして、その建物には明るい灯が見えている。
ホッとするあかり。この灯が浜を描いた時に使うものにつながっています。
「こんな寒い釧路の浜でも冬は漁がないかもしれないけれど、生活している証。そういう温かさを表現したくて。」
この二人を未だに追っかけているとおっしゃっていました。
IMG_8312.jpg IMG_8313.jpg IMG_8314.jpg
ある時にある人から「魚の匂いがしてこない」と言われその言葉でさらに浜にのめり込みます。
12月の末に桂恋の崖で写生していたら、おまわりさんに声をかけられたり、
ウトロで2月の終わり頃写生した時に画用紙に墨汁で描いていたら、凍ってしまったり。
寒さを表現するには耐寒デッサン。
素手で描くとどれだけ冷たいのかがわかるので、少しは寒さが絵にあらわれてくるのでは?と思って描いているそうです。
IMG_8315.jpg IMG_8319.jpg IMG_8320.jpg
「そういう絵を描いていると辛いんです。寒そうで厳しい。描いていて辛いんですよ。
そこで、たまに湿原に行く。春夏秋冬それぞれに美しく、ホッとするんですよ」
羽生輝が描いた湿原は重さが違うと。
「あの重さは大地だから。見た時に見飽きないもの、時間がたっても見飽きない絵はやっぱり軽くないよね。」
そのために川下りをして転覆もしたり、いろいろなことをなさったそう。
足を運ぶことによって湿原に少しでも触れることがモットー。だから浜と同じなのです。
浜を描くこと50年。現在は湿原を描かれていますが、湿原の途中からまた浜に戻るそう。なぜなら、今までと違った視点で見ることができると思うから。
できることなら無彩色。その後湿原を白と黒で。
白と黒だけで色を感じる世界。これを表現したいそうです。
IMG_8318.jpg

作品を制作する上でのこだわりは、空気を感じること、風を感じること、時には匂いを感じること、それを表現する。

「叔父、舟越保武に言われたんです。人に人格・品格が必要なように、絵にも画格・品格がなくちゃダメよと。
だからたくさんの本も読み、絵を描くだけではなく、勉強もしたけれどそれで備わっていないから寂しいけれどね。
あそこに叔父が描いたイエスの絵があるでしょ、この部屋入るとシャキッとするんです。」

to the wilderness [path-art]

ロシア・ウスリータイガの猟師とシマフクロウ.jpg 千島列島・ウルップ島のお花畑.jpg 千島列島・パラムシル島の浜辺にて.jpg
埼玉出身の彼は北海道の魅力にとりつかれ、大学卒業後から北海道に住むことに。
北海道大学在学中から四季を通じて北海道の山野を歩き、以後、野生の生き物や土地の文化をテーマに撮影を続けています。
先住民族との関わりの中から北海道をもっと大きな目で捉えようとしています。
そもそも流氷ができるあたり、アムール川源流から北海道オホーツ周辺に彼の視点があるように感じます。
日本列島を囲む四つの海のなかで最北に位置するのがオホーツク海。
この海に接している北海道の東北部沿岸は、冬期に流氷が漂着することで知られています。
オホーツク海を取り囲んでいる陸地、すなわち北海道・サハリン(樺太)・千島列島では、独特の古代文化が存在したと言われています。
そこが環オホーツクと呼ばれるところであり、彼はその土地にも取材に行かれています。
陸の王はクマ、海の王はシャチ。ということで、クマの撮影をたくさんなさったのですが、近年は羅臼沖でのシャチの撮影を精力的に行っています。
彼の写真から、自然の中にいきるものたち、そして、そこにある歴史さえもが伝わってくる空気感を感じるのは私だけではないと思います。
「土地全体でとらえたいんですよね、そこに生きる動植物をよく知りたいのです。」

2016年、「アイヌプリの原野へー響きあう神々の謡」という本を出版されました。
今回の作品展では、展示方法にも工夫がされているとのこと。
本の世界がそのまま広がる・・・そんな空間になっているそうです。
知床・羅臼沖のシャチ .jpg 知床岬で見つけた土器の欠片.jpg 知床岬を取り巻く流氷.jpg

※尚、写真は伊藤健次氏からお借りしました。
写真は上段左
「ロシア・ウスリータイガの猟師とシマフクロウ」
上段中
「千島列島・ウルップ島のお花畑」
上段右
「千島列島・パラムシル島の浜辺にて」
下段左
「知床・羅臼沖のシャチ 」
下段中
「知床岬で見つけた土器の欠片」
下段右
「知床岬を取り巻く流氷」
(アイヌプリの原野へ〜伊藤健次展は6/26まで羅臼町 ギャラリーミグラードで開催中)

kochikame [path-art]

IMG_8359.jpg IMG_8360.jpg IMG_8361.jpg IMG_8362.jpgIMG_8363.jpg
こちら葛飾区亀有公園前派出所の40年にわたる偉業の原画を一堂に集めた展覧会。
初回から200巻までの3万枚におよぶ原画の中から選りすぐりを展示してあります。
他には模型や、作者の秋本治氏が描かれている風景の動画なども。
国民的ギャグ漫画の歴史をゆっくり振り返って、その時々の情勢も伺うことができるそうです。
全長8mにわたる神田明神奉納絵巻も圧巻です。
そのレプリカと解説全図が今回特別公開になっています。
作者が愛する東京下町の風景がとても細かいタッチで描かれていたり、
時代に流行ったものが登場したり、40年の日本の歴史を振り返ることもできるのです。
館内は写真撮影はできないのですが、奥の会場のみ撮影が許可されています。
そこには大きなパネルが・・・・・
大迫力で迫ってきます。そこで写真を撮ると、まるで漫画の一コマに自分が入り込んだようにも見えます。
この会場では見て、触って、撮って楽しいこち亀ワールドが体感できます。
IMG_8364.jpg IMG_8366.jpg IMG_8365.jpg IMG_8367.jpg
(こち亀展は7/9まで釧路市立美術館で開催中)
※毎週 金・土曜日は20:00まで夜間開館

power of art [path-art]

ローゼンクイスト(横長作品).JPG 羽生輝.JPG 神田日勝.JPG
最近では、体を動かしたり、触れてみるアートなど体験型のアートがたくさんありますが、美術の鑑賞の基本はみること。
今回は、基本に立ち返る企画「見る」「感じる」アートのチカラがテーマです。
美術の現場で語られる「チカラ」といえば、表現力・写実力・デザイン力。
ただ、アートから伝わってくる「チカラ」はそれだけではありません。
絵の中の色が見る人の心の中まで広がってくるようなチカラ、
遠い記憶を呼び起こしてくれるようなチカラ、
別世界に連れていってくれるようなチカラなど様々です。
帯広美術館コレクションから70点あまりが展示されています。
横尾忠則、百瀬寿、ジェームズローゼンクリストフ、矢柳剛、中谷有逸、神田日勝、羽生輝などなど。
百瀬寿.JPG 八重柏冬雷.JPG 矢柳剛.JPG
例えば、百瀬寿の「Square-Vertical Blue to Magenta」
深い青がゆっくりと白に近づき、次第に赤へと変化しています。形はなく、純粋に色だけの世界です。
深呼吸をしながら色の移り変わりに心を重ねてみて下さい。何を感じますか?何を思い出しますか?
空の色、雪の色、花の色。世界はさまざまな色にあふれています。
本作は、無限に存在する色の中から、基本色である青と赤を抽出し、グラデーションで表現したものです。
シンプルな構成だからこそ、目に見える形にとらわれず色そのもの魅力を感じることができます。
色と色が響きあうように、見るものの心に何を響かせてくれるチカラ。それがアートのチカラのひとつです。(帯広美術館の資料より)

作品から感じ取るものは見る方によって様々。ひとつとして同じものはないと思います。
作家が創り出した色、その使い方、構図、想いを感じて、
あなたが見たものから感じる何かを感じとってイマジネーションを広げて楽しんでみてはいかがでしょう。
※尚、写真は北海道立帯広美術館 光岡幸治氏からお借りしました。
(見る 感じる アートのチカラ展は6/18まで北海道立帯広美術館で開催中)



silence・・・thought・・・ [path-art]

1.jpg 2.jpg 3.jpg 4.jpg 5.jpg
無言館とは、作家の窪島誠一郎氏が出征経験のある画家の野見山暁治氏とともに、全国の戦没画学生の遺族のもとを訪ね歩き、
集めた遺作を展示している美術館です。
長野県の上田市に1997年に開館し、今年20周年を迎えます。
「無言」という命名は窪島氏。
「彼らの描いた絵は深い静寂に包まれている」
「その絵を前にして私たちもまた無言で立ちすくむしかない」ということから名付けられたそうです。
今回は、戦没画学生72名、135点の遺作や遺品が展示されています。
夢半ばで画業を諦め、家族とも別れてしまう無念さはいかばかりであったのでしょう。
描かれた作品には、将来の不安や絶望が色濃く映し出されたものが目につきます。
逆に、伸びやかなタッチを感じるもの、絵を描く喜びが素直に伝わってくるものもあります。
家族、特に妹を描いた作品、風景、そしてその色に私は目がいきました。
年代や性別によっても感じ方は違うと思います。
絵に込められた想い、そのストーリーを考えつつ鑑賞すると、それぞれに何かを感じる展覧会だと思います。
7.jpg 8.jpg 9.jpg 10.jpg 11.jpg
(戦没画学生慰霊美術館 無言館 遺された絵画展は6/21まで北海道立釧路芸術館で開催中)

passing point [path-art]

IMG_7863.jpg一貫して道東の心象風景をテーマに作品づくりを続けていらっしゃる中江氏。
ポップアート的なもの、インスタレーション的なものなど表現方法はいろいろ。
今回は小さい時から道東で、川で魚釣りをしたり、山菜を採ったりしながら見た風景
・・風の音や雨の音、川のせせらぎ
・・河原の石の上にかげろうが柱のように羽化している光景、
・・石の下からイワナやヤマメがちらちら出たり引っ込んだり、
・・太陽の光で川面がキラキラ光っていたり、動植物の営みを含め、
様々なことに遭遇したものを作品にしていらっしゃいます。

「平面も立体もなんでも良いんだ。自分が表現できれば・・・」

IMG_7864.jpg平面は結構カラフルです。彫刻は色がないから、色をつけたくなる。色がほしくなるそうです。
平面は以前から制作なさっていましたが、作風はガラッと変わっているそうです。
「立体も平面もやっと見えてきたというか、集大成ではないけれど・・変わっている、変わってきた表現方法は。」
形がなくなってきているそうです。結果としてこれは何かに見えるというのは、あるかもしれません。
でも、そうではなくて、もっとメンタルなところで表現するという感じでしょうか。

IMG_7865.jpg

「形を追う仕事は上手いか下手かという感じで絵を描くでしょ?
でもそうではなく、良いか悪いかなんだから、そこをどうしたら良いかという話しだよ。僕らの仕事は。
俺はここで生まれたから、これから栄養分をもらって表現するということ」
01.jpg 04.jpg 05.jpg 06.jpg 12.jpg
感情の揺れ動きによって表現方法もみんな違ってくるのです。

「どうやって形をなくするか・・そんなことばかり考えてる。
要するに、見て描くということを全く無くして、非常に無防備な状態で、
どっちにでも転ぶという状態でやる方が世界が広がっていくというか・・・そういう風になってきたのは最近だよ」
08.jpg 09.jpg 10.jpg 11.jpg
「アートってなんでもあり。だから自由に八方破で好きなことやった方が、好きなものを作品にした方がいいんじゃないかと思って。」

今が一生のうちで一番充実してると感じるそう。「でも身体の方がいうことを聞かなくなってきているというのが皮肉なもんだよね」
02.jpg 03.jpg
今回の展示で中江氏が一番おっしゃりたいことを表現したのが「未来への脱出」
「人間は根本的に性悪説だと思っている。悪が多すぎるよね。
だからこの世(現世)からの脱出をイメージしているんだ。
でも見る人がどう感じてくれるかだから・・・」
(中江紀洋展は5/21まで北海道立釧路芸術館で開催中)







katakuchi [path-art]

GAK_0018.jpg GAK_0027.jpg GAK_0030.jpg GAK_0039.jpg
弟子屈山椒で開催される作品展「片口とその周辺 うつわ展」に出品なさいます、旭川在住の工藤和彦氏にお話しを伺いました。
そもそも片口とは、一方にだけ注口(つぎぐち)のある鉢・銚子のこと。液体のものを他のものに移す役割のものでした。
現在は、料理の器としても使われています。
中にはお皿の様に浅い器もあり、そこにお刺身などを入れたり、様々な使われ方をするようになりました。
工藤氏はもともと片口に興味があり、様々な口のデザインを考えたそうです。
ある時、土鍋の持ち手の形状が面白いなと思い、それを逆さにしたら片口の口に見えたのです。
それから工藤氏のオリジナルの片口の型が出来上がったのです。
GAK_0030_2.jpg今から数年前に薪窯をつくりあげました。
陶芸の道に進んでから、何時かは薪窯を作りたいとずっと思われていたそうです。
薪窯は電気釜などとは違い、ひとつとして同じ作品ができません。
穴窯や登り窯も下から上へ、一方方向から焼けるのです。
ですから片面が非常に焼け、片面があまり焼けないというもの、それが景色と呼ばれ、その境目が日本人の心を揺さぶるのです。
わびさびの世界ですね。
本来の焼き物の面白さが発揮される部分です。
基本的には木で火を焚いて、粘土で作ったものを焼く。昔から変わらない方法です。
おそらく昔の人も今も焼けた感動は変わらないのでしょう。
ですから以前に比べると作品の幅も奥行きも広がったとおっしゃっていました。
気持ちの上でもだいぶ違うそうです。
そんな工藤氏の作品の他、富山の森つくし氏、以前お話しを伺いました岡山の恒枝直豆氏、多治見の加藤委氏、
滋賀の梶なゝ子氏、京都の今宵堂の作品が並びます。
(片口とその周辺 うつわ展は4/29〜5/6まで弟子屈 山椒で開催)


The world of Mother Goose [path-art]

1.jpg 2.jpg 3.jpg 4.jpg
可愛い〜優しい気持ちにさせてくれるパステルを描かれているのは斜里町在住の作家、松岡雪華氏。
以前は水彩画を描かれていたそうですが、画材の特徴がいまいちしっくりこなかったそう。
水彩画はすぐに乾いてしまいます。
また、油絵は逆になかなか乾いてくれません。
のんびりゆっくり描きたい、でも待つことができないとおっしゃる松岡氏にとってパステルがちょうど合っているそう。
結局独学で今のスタイルにたどり着いたそうです。
作品展でじっくりご覧いただきたいのは、色の使い方。
ほとんど単色で使うことがなく、色を混ぜて自身が出したい色を探していくそう。それが難しくもあり、面白いところとも。
マザーグースに出会ったのは、2013年に子供向けの英語教本の挿絵の仕事をしたことがきっかけ。
仕事を進める中で、著者の先生と編集者とご自身が同じ唄を読んでいても、描くイメージが違うことに気づいたのです。
挿絵画家として仕事をするということは、著者と編集者の意向にそって絵を描くこと。
本が出版された後も「私だったらこんな風に描くのに・・」という思いがあり、
それ以降マザーグースの世界を自分なりに表現しようと、現在ではライフワークになっているそうです。
マザーグースはイギリスやアメリカに古くから伝わる童謡の総称。残されている唄は数千にも及ぶと言われているそう。
今回の作品展では、マザーグースの唄の中から「お菓子」「お茶」「食べ物」などが出てくる唄を選び、お茶会をテーマに描かれています。
※尚、写真は松岡雪華氏からお借りしました。
(まつおかゆきかパステル画展は4/23まで中標津 東1条ギャラリーで開催中)