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like cows [path-art]

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牛をモチーフにした木版画を主に制作なさっています。
美大生の頃には油絵を描き、ワンダーフォーゲル部に所属。山登りもしていました。
その頃、春休みが長いのでバイトをしようと雑誌をみて何も考えずに士幌の牧場に飛び込んだのが牛との最初の出会い。
牛をいうものをきちんと認識したのがその時だったそうです。

仕事の合間にスケッチをしているうちに、「私は牛を描いたら良いのでは?」と漠然と思ったとのこと。
それから学生生活の残りの2年をほとんど牛の版画を製作することに・・・。

12.jpg5年くらい油絵をずっと描いていて、何を描いたらよいのかわからなくなっていた時期だったのです。シュールレアリズム的な絵を描いていたりもしたそうです。
本当は何を書きたいのか悩んでいた時期、登山をする中で、心の中のものとか、変わった絵図のものを描くというよりは、目の前にあるものをそのまま素直に描くことの方が自分にはあっているかもしれないと感じていたそう・・・。
そんな時に出会ったのが牛。
「牛そのものを描くことで牛そのものの魅力と自分の描きたいことがマッチしたような気がしたんです。
初めてあった牛はすごく大きいし、筋肉とか骨とかの感じがそのままダイレクトに感じられるし、温かいし、可愛い。しかも食べ物だし、経済動物だし、色々な要素があって、とにかく可愛い。」


現在は小清水にお住まいです。もちろん牛と関わる仕事をしながら・・・
絵本や冊子の表紙を描くなど・・・色々な仕事をなさっている中で、木版画が一番自分の核になっているとおっしゃっていました。
木版画に関しては、自分の好きな牛を好きなポーズで好きな感じで製作するというのがこだわり。

たくさんの牛がいる中で、「鷹揚な牛、あら来たのね。いいわよ撫でても」みたいな牛が好き。
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アトリエに大きな下絵がありました。ほぼ実寸大の牛が目の前に・・・
モデルになった牛は、すごく個性的というか、好奇心が旺盛な牛だったそうです。
ちょっとわがままで、自分の欲求に正直な牛。
体の形も好きだったそう。胴長短足、顔がちょっとしゃくれている・・・
これは、作品展に間に合うかどうかは 乞うご期待といった感じでしょうか。

掘っている中で「うわっ可愛い」という瞬間があるそうです。
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彫刻刀は20種類くらい。使っているのは4~5本。三角刀がメインです。
作品の大きさから考えるとこの彫刻刀の小ささは、どれだけ大変な作業なのかが理解できます。
体の中はその彫刻刀で彫る。毛を彫る感じです。
彫っている時は牛の写真を見ながら、毛の流れをみて、毛を植え込んでいく感じ・・・と。
三角刀で彫った感じが毛っぽい。筆で描くよりも毛っぽい感じがするということで木版画を選ばれています。
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近くにあった仔牛の作品。耳のホヤっとした毛の感じがなんとも言えず・・・
「子供の頃から白くてふさふさしたものが好きだったんです。
絵の具で描くと柔らかくなりすぎると思うんですよね。牛の持っているかたさというか、重量感みたいなものが表現できないかも。
私の場合、特に版画に関しては背景はないので、牛の存在だけにフォーカスしているんです。」
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紙は主に和紙を使っていらっしゃいます。台紙と刷る紙は別です。
雁皮紙と呼ばれるとても薄い和紙。ティッシュより厚く張りがあり丈夫。細かいものがよく出るそうです。
彫りが浅いので分厚い紙だとずれてしまうのです。この薄い紙に刷った後裏打ちをします。
この技法が冨田氏の作品にはぴったりとのことでした。
(<Path-Art>の仲間たち展は12/16まで北海道立釧路芸術館 フリーアートルームで開催中)