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ochiishi project-8 [path-art]

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IMG_3481.jpg根室落石計画は今年8期。
毎年いろいろな企画でワークショップの開催や展示を夏の一時期開催しています。
場所はかつての落石無線局。銅版画を核に制作活動を展開しているふたりの版画家、
井出創太郎+高浜利也のユニット。その中で毎年少しずつ変化しているのが銅でできた茶室。
その設計をなさった井出氏にお話しを伺いました。

茶室の内側は銅。版画を刷り終わった後の銅版を使ています。
役目を終えた建物、捨てられた建物の再生に、捨てられてしまうべき銅板で再生を行う。
かつてパブリックとして交信をしていた中に、非常に小さなプライベイトな対話空間をつくるストーリー。
茶室の周りには立方体がたくさんついています。最初の絵を描いた時にはどれだけ大変かわからなかったと井出氏。石膏のキューブに銅版画が施されています。計画では3層にする予定。今は2層の段階。
現在は5000個そこに宿っています。全部で8000個くらいになるはず・・・とのこと。
この計画は3年のはずでした。それが8年になり、10年になる予定。でも10年でもこれは完成しないと。
ある意味終わりのない作品。今の状態でも機能的には大丈夫なのです。ですから、それは完成とも言えます。
ただ井田氏のイメージの中ではもう少し凸凹が・・・。

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通常の井田氏の作品は紙に刷った銅版画。モチーフは芽生えて茂って枯れていく・・・植物。
時間的流れ、その時間そのものを感じさせるものがモチーフになっています。大きなテーマは時間とか人が生きて行くこと。
実際の植物の形をそのまま転写しているので、具象といえば具象。でも、その背景にあるのは抽象的なものであったりもするのです。

この世界に入ったのはお父様が絵描きなので、その影響が大とのこと。大学では油絵を専攻。
でも、直接手で描くのはあまり好きじゃなかったそうです。ですから、すぐに木版画を始めたとか。
その後、大学3年から銅版画を始め、現在に至ります。
銅版画を選んだのは、過去性とか今という「時間」に興味があったから。いろいろな形で絵を描いたり木版画を作ったりしていました。
銅版画エッチングは銅を腐食液の中に入れて凹凸を作っていくもの。
腐食液の中に長く入れると凹凸が大きくなり、短ければ黒くなる。時間と関わりのある技法です。
その銅版画自体が自分のテーマとしたかったものにあっていたと教えてくださいました。
腐食していくのは人間が全部コントロールするのではなく、一部腐食液に委ねるところがあるそうです。
腐食して朽ちていった状態を受け入れながら制作を進める。筆で絵の具を使って描くのとは大きく違うと。
委ねて受け入れて先へ進むという制作のプロセスがご自身に合っていたのです。
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「場所の持っている力に魅力を感じています。毎回驚きがあったり・・・
ここ、落石無線局跡地は、帰ってくる場所ではなく、向かっていく場所ですね。」